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PSA検診の考え方

右の二つのグラフは前立腺がん患者さんのPSA値の推移です。前立腺がんには青線で示した横ばいから微増期(第1相)、黄色で示した上昇期(第2相)、赤で示した急激上昇期(第3相)が存在します。PSA検診では、この第3相を捕まえて精密検査を行い、前立腺がんを診断します。このグラフの方は二人とも、まだPSA値は10ng/ml以下で、早期のがんです。しかし赤い線の傾きから推定すると10年後にはPSA値は1万ng/ml程度に上昇すると考えられます。ここまで放置すると排尿時痛、残尿感、場合によっては骨転移による激しい痛みも出てきます。厚労省の「平成26年簡易生命表の概況」によると70歳の男性の平均余命は15.49年です。このままでは人生の終盤に前立腺がんで苦しむことになってしまいます(※)。症状が出る前に早く治療した方が簡単な治療で済むだけでなく、副作用のより少ない治療を選択することが可能になります。

(※)この方たちは70歳前後ですが、もし80歳だとしたら「10年後は苦しくことになるでしょう」をどのように受け止めるか、個人差が出てくることでしょう。どんな治療にも必ず副作用があります。医師とよく相談して納得のいく判断をしてください。

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